皆でわいわい合同演習

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銅鑼が鳴ったと同時に霞が進む。その後ろをゆっくり進みながら俺達は本陣とやや平行な感じで横に並ぶ。 上から見た感じでは霞を頂点にした三角形みたいだ。一辺がやたら多く、二辺が無いけど。 しかし向こうも黙って見てる訳もなく、まず中央に最高戦力の恋と補佐にねね、左翼に春蘭、右翼に季衣がいる。こちらから見て鬼兵隊の姿は無い。本陣の護衛か、背後にいるのか。まぁどちらにせよ俺がやるが。 俺が状況を見ていると既に霞は到着したようで、多少の小競り合いはあるが、大きくは何をやっても動かない敵陣を前にしていた。おそらく桂花の指示だろう。向こうにも策があるのか、その好機を逃さないためにも見えた。 しかしうちの関西弁娘はそんなのは一切気にしない。視力が良い俺の目にはむしろ輝いているようにも見える。 俺や皆がとことん弄り倒せや、好きなことしてきていいと言ったのもあるのだろう。よくよく見ると口がボソボソと動いており、周りの兵がうわぁって顔をしている。 やはり訂正しよう。あれは輝いているのではなく、腹黒い笑顔だった。
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