気まぐれな魔王さま

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 麗らかな春の昼下がり。  閑静な住宅街にある公園内を歩く一人の青年の姿があった。  肩より少し伸びた漆黒の髪を一つに束ね、同じく漆黒の双眸は涼やかな一重。  すらりとした長身で、しかし程よく鍛えられた身体の青年に軟弱な印象はない。  誰もが認めるであろう美貌の青年である。  そんな青年が穏やかな陽射しの元、散歩をする姿はなんとも優雅で、目の保養になる。  しかし、残念ながらそれを見る者はなかった。    
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