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K side.
仁『中丸ー中丸ー』
中『なに?』
仁『なぁー田口っ』
田『なーにー?』
仁『聖っ!』
聖『なんだよ』
亀『………』
そこら辺うろうろ、うろうろして、誰かにじゃれて、
((…子犬みたい……))
田『赤西くーん、パンあるけど食べるー?』
仁『食べるっ!』
餌をもらえば目を輝かせてガッついて。
亀『…じーんっ』
仁『あ、カメーっ!』
名前を呼べば、嬉しそうにすぐ飛んでくる。
仁『なーに?カメっ』
そう言って笑顔で俺を見つめる姿は、
まるで尻尾をブンブン振って待てをしている子犬。
((…見た目大型犬だけど))
亀『………』
仁『カメ?』
亀『…仁…』
仁『ん?』
亀『……お手。』
仁『はっ?』
俺が仁に右手を差し出すと、仁が頭に"?"を浮かべてそう言った。
亀『仁、お手。』
仁『なんで?』
亀『お手!!』
仁『はぁ?…はい。』
俺がそう言うと、わけわからんといった表情をして渋々自分の右手を俺の手に乗せた。
亀『ふふっ』
仁『どうしたの?』
亀『おかわり』
仁『え?』
亀『おかわりは?』
仁『……?』
そう言いえば、不思議そうに首をかしげて左手を俺の手に乗せる仁。
亀『ふふっ、よくできましたっ』
そう言って仁の頭を撫でると、仁はキョトンとしながらも少し嬉しそうにふにゃっと笑った。
ふ、ホントに子犬みたい。
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