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「残念だが-――。」
「そうか、見つからなかったか…」
「あぁ、魔理沙と一緒に歩いて回ったんだが、それらしき情報は掴めなかった…。」
迷いの竹林、妹紅の庵。
夜半に、慧音が訪れていた。
夜も更け、辺りは静謐とした静けさに包まれている。
件の白猫は
囲炉裏近くの、座布団の上にまるまり
静かに寝息をたてていた。
「今日は…朧月夜か、もう春だな幻想郷も」
「…あぁそうだな、春だ…」
二人は庵の縁側に並んで座り
月を眺めていた。
正確にいえば
私は寝転びながらで、
慧音は
柱に背を預けながらだが。
「さっき、夜雀の屋台で買ってきた鰻と、酒を用意したんだが…呑むか?」
「ふむ月見酒、と洒落込むのもたまには悪くないな
では少し頂くとするよ。」
妹紅は身体を起こすと
盆に載せていた杯に、酒を注ぐ。
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