11人が本棚に入れています
本棚に追加
「何度振り払っても、執拗に、私の肩に、飛び乗ってくるんだよ……」
「ふふ…妹紅の事が、きっと好きなんだよそいつは、な?」
「にゃー♪」
「…冗談じゃない…勘弁してくれよ…私は、こいつを帰しに来たんだ…ほらみろ、鈴がついてるだろ?」
「それで、私の所に来たのか、うむだが…見ての通り、私はこれから子供達を、相手に授業をせねばならんからな…すまんが、手伝えそうにない。」
「そうか…まぁ仕方ないな
じゃあ、適当に何処かで、こいつは放して…」
「妹紅、お前がそんな人でなしとはなぁー
…露ほども知らなかったぞ。」
「け…慧音…いやだって誰が、飼い主かも分からないのに、捜しようがないだろう…?」
「適材適所。そういう有事の為に働く、うってつけの人材が、居るんじゃないか!」
「…あいつか…余り気は進まないというか…頼みたくないんだが…。」
「そう口を尖らせるな妹紅、人助け…いや猫助け、かと思ってソイツの飼い主を、捜してやってくれ…おっと、子供たちが登校してくる時間だ…ではまた後でな。」
「あ…ああ、またな慧音…」
「んにゃ!」
「ふふ、お前も早く飼い主の所に、もどれるといいな。」
慧音は、そう言い残すと
教科書を脇に抱えて、その教室を後にした
「………………」
妹紅はその後姿を見送ると
小さく溜息をついて
自分の左肩に鎮座している
白猫をちらりと一瞥する。
白猫は小さく欠伸をしていた。
「……はぁ……」
なんで私がこんな事を…
最初のコメントを投稿しよう!