曾祖母の思い出

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  「それでは、こちらはどうです」   「……ん、ああ」   何を提案しようが気のない返事だ。   正直夕護はどうでも良いのだろう。   だから俺を選ばせるために呼んだのだ。   俺は苺大福も品目に入った大きな箱を指差し、相手が頷くのを確認して店員に購入の旨を告げた。   本家のお嬢さん方(これがまたお転婆で済ませられる人達でなかった)は皆嫁入りして、今あの広い家には祖母と叔父と叔父の嫁しか居ないのだが、客人の多い家だからこの量でも余るということはないだろう。  
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