曾祖母の思い出

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  一世代近く前の、まだ男尊女卑の風潮が強い時代から家長を務めていたという。   彼女は周りから屡々厳格だと言われていた。   俺もまだ常識だとか礼儀だとかを知らない年の頃は従兄弟の夕護と共によく叱られたものだ。   ああ、この夕護という名と俺の名、朝守というのは曾祖母から頂いた名前である。   武将のように古風で男らしくて気に入っていたのに、まさかあの従兄弟と対の命名だったとは…。   一時期はそれで多少は恨んでいた。が、今はもう肝心の恨む相手が居ない。  
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