ＢＬ短編集。

おてて、つないで。

さっきもついその事を考えてしまっていて…。
正直自分がこんなにヘタレだとは思わなかった。
思わず大きな溜め息が零れる。

「嘘つけ、ぼーっとした顔でこっち見てただけだろー」

瑛輔にデコピンされ俯き掛けていた顔を勢い良く上げ、額を押さえるとあまりの痛さにしゃがみ込んだ。

「ってー…マジ手加減くらいしろよなーっ」

痛みから出てきた涙で潤んだ瞳を瑛輔に向け抗議してみる。
すると腕を組み、溜め息を吐かれた。

「お前ここんとこいっつもぼけっとしてるだろ。何か悩んでるみたいだし…此処まで聞かないできたんだ、そろそろ話せよ」

仮にも恋人だろ、とボソッと言われ思わず恥ずかしくなった。

(てゆーか…俺の事心配してくれてたんだ………)

嬉しさについ浸ってしまう。
いやいや、そういう状況じゃないから、なんて冷静になってみる。