短編集1 太陽

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 仕事で、僕は最低限の事しかしない。誰にも笑ったりしない。  だって僕は、明るい事が嫌いなんだから。 「少しは笑ってくれてもいいかな、と私は思うよ?」  いつもの通り、注文を受けて、入力して、ポテト等を上げたりして、雑用をして、それでまた接客する。  そんな仕事の中にも、またこの少女。 「私、てりやきマックバーガーセット一つね。あ、飲み物はアイスコーヒーで」  そう言って、彼女は俺に微笑みを向ける。  止めてくれ、僕に、向けないでくれ。  なんで、そんな笑顔を僕に向ける。  そんな差し向けはいらないから、去ってくれよ――!
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