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「ありがとうって……可笑しいよ?」
「いいんだ。ありがとう」
クイーンが笑いながら問いかけたことにジャックは小さく首を振る。
「あ~腹減ったなっ早く飯行こうぜ」
「じゃしっかり療養してね」
キングとクイーンは口々にジャックに挨拶すると部屋からバタバタと出て行く。
「騒がしいこと。あら?エースまだ何か用なの?」
憎まれ口をボソリと叩いたオライアンがまだ部屋に残っていたエースに尋ねてくる。
「うん、俺」
エースはジャックに目をやる。
「ごめん、エース……僕は怖かったんだ」
「……」
エースの言おうとしたことがジャックには分かったのか、彼は先に口を開いた。
「狼が生きてないって……生きてないって分かって……誰かに操られてるって分かって……だから、それで……いたたまれなくて……怖くて」
ジャックはあの時、向かって来た狼を倒すことが出来なかった。避けて反撃することは容易な問題だったのに。
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