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気が付くと朝になっていて、あたしは仕事の準備を始める。
もう、何も考えられなかった。
ただ、頬だけが冷たくて、顎先からこぼれ落ちた雫を見て、自分が泣いていることを理解した。
携帯を取り上げ、電話をかける。
―--lululululululu--―
『はい?』
「おかーさん…」
受話器から聞こえた声に、あたしは声を上げて泣いた。
母親は何も言わず、ただあたしが落ち着くのを待ってくれていた。
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