光と闇の狭間

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仕事も辞め、次の仕事先の面接も済ませ、採用が決まった。 引っ越しの準備をしながら、あたしは毎晩のように、元恋人を責め続けた。 「アンタなんかと出会わなければ…」 「あんな奴と親友だったなんて…」 「アンタなんか嫌い」 「あんた達なんか大っ嫌い」 あの事件の日から3週間。 あたしは、2年半住んだ土地を逃げ出した。 悲しくて苦しくて淋しくて。 思い出ばかりのこの土地では、頑張ることすらできなくて。 あたしは逃げ出した。 汚れていく思い出と、醜くなっていくあたしの心を止めたくて。 あたしは逃げ出した。
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