光の中へ

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そんな時、ある人に言われた言葉で、あたしの中で小さな変化が起きた。 「信じようとするのは楽をしたいから。疑うのは苦しいから、それから逃げたいだけ。信じたいと思う内は、信じることなんてできないよ。いつかきっと、信じさせてくれる人と出会うから。それまでは自分の気持ちを大事にしな」 あたしはずっと、自分の気持ちが許せなかった。 2人を恨む気持ちを醜いと思い、手を差し伸べてくれた友達ですら疎ましく思う自分は、最低な人間なんだと思っていた。 それが苦しくて苦しくて仕方が無かった。 自分の考えを肯定しないで、自分の気持ちを信用しないあたしに、人を信用するなんてできるはず無かったのに。 そう思えたあたしは、自分を許すことから始めた。
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