プロローグ

4/4
前へ
/280ページ
次へ
『ゆ、ゆ、ゆゆ許してください!ここ殺さないで!下さい』 債務者の言葉にため息をつく学。「何言ってんだコイツ」葛之葉は苦笑いで学に視線を送る。 『答えになってません。…松崎さん、貴方が嘘つきのどうしようもないバカだってのが、よくわかりました。で』 学もタバコを取り出し火をつける。 松崎に煙を吹きつけながら言う。 『貴方が今からとる行動は、3つしかありません。いいですか?貴方が契約を履行する(金をかえす)、連帯保証人に返させる、親兄弟に返させる。どれですか?』 『わ、私が返しますよ!当然…』 『へ〜〜〜え??オレたちから逃げ回るアンタが、今すぐ一括弁済できたら、2人で大通りで裸踊りしてやるよ』 『い、今すぐなんて!250万円なんて無理です!ら、らら来月!来月のボーナスで…30万…35万くらいは…』 「やっぱバカだコイツ」学は松崎の顔の横のビルの壁にタバコを押し付けると、ニヤリと笑う。恐怖の表情の松崎。 『もう一回説明してやるよ。アンタはもう、そんなステージにいない。こっちはとっくの昔に”期限の利益を喪失“してんだよ。その代償の罰は、遅延損害金込みの一括弁済だ…連帯保証人に返してもらう』 葛之葉に視線を送る学。葛之葉から解放される松崎…だが、今度は学の足に縋り(すがり)付く松崎。 『そ、そんな!困ります!面倒見てやってる会社の後輩なんです!…アイツ来月2人目の子供が生まれるんです!家族ぐるみの付き合いがあるし…来週バーベキュー行こうって…』 舌打ちをし、縋る松崎を蹴飛ばす学。「あがっ」と言い血を吐き、震える松崎。爆笑する葛之葉。 『そんな事情、ぜ〜んぶ知らねーよ。オレからの電話を全部無視し続けた、お前のことなんて、考えてやる必要ないね。…なぁ?もしアンタが逆の立場だったら、許してやるのか?あぁ?!』 学の眼光に、たじろぐ松崎。 泣きながら土下座し、ごめんなさい、ごめんなさい…と繰り返す松崎を放置し、無慈悲に踵を返す2人。 『恨むんなら、金を返せない自分を恨むんだな』 ナレーション ”まぁ、なんだ。ご利用は計画的に〜…なんて。しない方がいいよな。借金“ ーーーー タイトル、ムービー等 ーーーー
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加