『流星ロケット』

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「また、墜落するんじゃないのぉー?」 ニヤニヤと卑しい笑みを浮かべながら、美香はそう一馬に向かって嫌味を飛ばす。 「うっせーな。どっかのえれえ奴が言ってたんだよ。信じる奴には季節が来るって」 「……もしかして、奇跡?」 「そうとも言うな」 「そうとしか言わねぇんだよ!!!」 一馬の間違えに気付いた明日香から指摘が入り、更にボケ倒したのでソラがご丁寧にツッコミまで入れてくれた。 「とにかく行くぜ!!」 一馬はみんなを無視してさっさとロケットを飛ばし始める。 ポチャン! しかしロケットはまたもやちょっとだけ上昇して、川に墜落した。 「くっそぉまたかよっ」 一馬は悔しそうに呻く。 「……作りにやっぱまだ問題があんのかな?二度も飛ばねぇなんて」 翔は自らのロケットを見ながらそう言った。作りは大体一馬のと一緒だからだ。 「いんや、俺の設計は間違ってねぇハズだっ」 と言っても『子供の科学図鑑』をみながらその設計図通り作ったものだ。 一馬たちが思っているようにまでは飛んでいくものではない。
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