『流星ロケット』

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“異界”の“住民”と人間は“契約”して“異端”になるーー 人間にはない、強大な力を手に入れることが出来るーー ソラはレヴィーナと“契約”して“異端”になった一人。 だが当時何も知らないままだったソラに“異端”として生きていく道など選べる訳がなかった。 彼は生きていく為に組織へと身を投じることになった。 確かに“異端”になれば強くなれる。けど“異端”はこの世界に一人ではない。 全員が全員、違う目的と野望を持っていれば力を持ちし感情のある怪人。平穏なんていう世界は程遠い。 汚い裏の世界をソラはずっと見てきた。 人間の世界なんてそんなものかもしれない。 それでもソラはそれを見ていられなかった。心を押し込めて孤独と戦うにはソラはまだ精神的に幼かったのだ。 レヴィーナも責めなかった。生かす為とはいえ幼くしてこの世界に身を投じさせたこと……彼女もまた責任を感じていた。 だから彼ら二人は組織から抜け出したのだ。 逃げ出せば追われる……そしてーー それが分かっていても、二人は逃げ続けようとそう決めた。決めたハズだったのに…… 「シルフィードの契約者が弱音を吐くな!それともあんなガキどもの約束がそんなに大切なのか?!」 レヴィーナは黙っているだけにもいかずソラに叱咤の声を浴びせる。
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