『流星ロケット』

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「…宇宙ねぇ…ま、がんばりましょ!」 翔が本気で宇宙まで飛ばせると信じているのが美香はオカシイらしく、微妙に半笑いを浮かべている。 「よーしっ、今日はコレを一番飛ばせなかった奴はジュース奢りだからな!!」 一馬はそう啖呵を切ると、早い者勝ちと言わんばかりにロケットを飛ばす準備を始めた。 「あ、ずりぃぞ!一馬~反則だっ」 「ホントよ!反則よ、反則!ホラ、明日香。そんなとこでぼーっと突っ立ってたら勝つもんも負けちゃうわよっ」 美香は隣に物言わず立っていた大人しめの少女、明日香の手を引いてロケットのある方向へと向かう。 「う、うん。だからそんなに引っ張らないでよ~美香っ」 焦ったように言う少女の容姿はこの場にいる活発な少年、少女たちに比べれば相応しいとは言えなかった。 黒髪のショートボブで真面目そうに見える優等生、それが明日香が周りに与える印象だ。対する一馬たちは黒髪な事以外はいかにも元気ものといった感じの容姿。まぁそんな感じなので周りからみたら何故明日香がその場にいるのだろうと誰もが思ってしまうだろう。
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