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「……それにしても……」
ロケットを飛ばす準備をしながら、翔はまじまじと明日香と美香を交互に見た。
「なによ?」
美香はロケットを入念に設置しながらも、翔の言葉にも耳を傾ける。
「お前らって本当に似てねーよな」
「…別にいいじゃない。双子だからって似てなきゃないけないって決まりはないんだからさ!それに私たちはそれ以上に仲が良いしね♪ね、明日香」
翔に悪意はない。だがコレは事実である。
「う、うん。そうだよ。多分……」
明日香は少しだけ似てない事をコンプレックスに感じているみたいだ。明日香と美香は双子。だがここまで違うかというぐらい似ていない。性格は勿論、外見まで似ていない。明日香はおっとりとした垂れ目の一重だし、美香はつり目の二重。ぱっと見、双子だと分かる人は少ない。
だが二人は正真正銘の血の繋がった双子だという事は間違えないのだ。
「う~ん…世の中って不思議だよなぁ」
翔は真剣に悩んでいる様子だ。ロケットに集中していた手も今じゃ止まっている。
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