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「…誰だ…。」
空調の微かな音に混じり、ブーツの足音が目の前へ移動してきた。
無意識に体に力が入るエリカ。
現れたのは長身の男だ。
正直とても奇麗な顔立ちだ。
髪は銀色に輝いて腰まで長さがある。
いつも真っ白なこの施設には珍しく真っ黒な服装だ。
「…何をしている。」
再びかけられた声に我に返るエリカ。
「<5番ゲート閉鎖完了。脱走者、認識番号28705逃亡中。緊急ランク4。HⅡ、増員します。>」
緊急アラームが更に高い音へ変わった。
「(逃げなきゃ!!)」
後ろに一歩後退する。
「待て!エリカ・ライソン!!」
「きゃっ!!」
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