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「…No.1207。脱走者を見なかったか。」
自動扉が開くと、感情のない声が響いた。
「…見ていない。」
それに返される感情のない声。
「6番ゲートに移動する。」
バラバラと足音が去るとともに、自動扉が閉まる。
「…あなた、良いヒューマノイドね。」
長身のヒューマノイドの後ろに隠されていたエリカがそう言いながら前へ出た。
「ありがとう。助けてくれて。」
ホッとして笑顔を見せるエリカを無表情に見つめる男。
「…助けたわけではない。」
グイッと強い力でエリカは腕を掴まれる。
「うわッ!!」
「エリカ・ライソン。聞きたいことがある。答えろ。」
近付く端麗で無表情な顔。
「痛いッ!!離してッ!!」
苦痛に顔を歪めるエリカ。
そんな事はお構いなしに長身のヒューマノイドは質問をかけた。
「…俺の名前を教えて欲しい。」
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