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「…ッ!!…痛たた…」
なんとかこの男の手を振りほどくと、自分の赤くなっている手首をさするエリカ。
「…俺の名前を教えて欲しい。」
何を言っているのか解らない。
しかし、真剣な眼差しで問う男。
「知らないわよ!だいたい、私はあなたに会ったことない!」
早いところこの施設から逃げなければ…。
エリカは手首を抑えたまま走り出した。
その時、エリカがセンサーに感知される前に自動扉が開いた。
「脱走者28705。連行する。」
見慣れた白服のヒューマノイドHⅡが部屋に入ってエリカに催眠薬を注射した。
「28705をゲート18番へ。」
「了解。これにて警報を止める。」
バラバラとヒューマノイドが去っていった。
残った黒服のヒューマノイド。
モニターに映し出された通路をじっと見つめて、キーボードへ指を動かしていく。
「<声紋入力。アクセスコードをお願いします。>」
「No.1207。エリカ・ライソン28705の収容位置の確認。」
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