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俺は立ち上がって、制服についた砂をはらう。
ついでに持ち物を確認――やはり華琳と別れたときと同じ状態だ。
というより何も持っていない。
一刀「生徒手帳も携帯も部屋に置いてきたからなー」
形見……、みたいな気持ちだった。
縁起でもないけど。
また戻れるとも思わなかったし。
一刀「……まあ、いいや。とりあえずどっちに向かおうかな」
改めて、念入りに辺りの地形を確認する。
少しでも覚えがないか、記憶と照合する。
だが生憎、該当する地形は記憶の中にない。
一刀「しかたないか」
じっとしていても埒が明かないので、俺はとりあえず勘で方角を決め、進むことにした。
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