悲劇の序章

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 署内に入った女は、受付に、家庭内暴力について相談したい、と伝えると、個室に案内された。  個室に入って5分もしないうちに、制服をしっかりと着た男性警官が来、「さっそくですが…」と言い、話を進めた。  20分ほどたった頃、女は浮かない顔をしながら個室から出てきた。  玄関まで見送りにきてくれた男性警官は申し訳なさそうに眉を下げていた。 女はそんな警官にぎこちない笑顔で一礼し、警察署をあとにした。  警察署を出て、しばらくは俯いたまま歩いていた女だったが、警察署の門から少し離れた場所に停めてある車を見つけると、笑顔で車へ走っていった。
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