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12月24日、自称探偵の瀬島学はクリスマスイブにもかかわらず、浮気調査の結果を報告するため、事務所兼自宅の応接室で依頼人の女と対面していた。
「言いにくいのですが、ご主人、ばっちり浮気してますね。しかも、一人、二人ではなく五人もの女性と。」
瀬島はまったく言いにくいといった様子ではなく、むしろはっきりと声高らかに言った。
「…まぁ、調査した資料などはすべてお渡ししますので、あとは弁護士かなんかに頼んでください。」
唖然としている依頼人に口早にそう言うと、資料の入った茶封筒を渡し、背中を押して玄関まで連れて行った。
「ご利用ありがとうございました。お気をつけてお帰りください。あ、年末までに調査料振り込んでおいてくださいね。では。」
またしても口早に話すと、返事も聞かずに扉を閉めた。
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