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『光、今日はお前に会わせたい子がいるんだ。』
父親の一言で幸せムードだった周りが一気に静かになる。
不思議そうに首を傾げる光。
小さく笑うと、父親は席から立ち上がり携帯を取り出して誰かと電話をする。
それを終えしばらくすると、近くにあった出入口の門が開き、1人の少年が現れた。
見た目からすると、15歳ほどだろう。
少年を光のそばへ立たせると、父親が紹介を始める。
『東雲麗君。この子も真名を持つ子だ。もしかしたら光と同じ真名かもしれない』
真名は、同じ名を持つ者が現れるまで、真名を持つ者同士しか明かす事しか出来ない名前。
例え親であろうとそれを明かすことは許されない。
同じ真名を持つ者が現れた時はじめて、周囲の人間へ明かす事が可能になるのだ。
父親の言葉から察するに、真名を持っているがパートナーがいないため、もしかしたら光と同じ真名かもしれないと考え連れてきたのだろう。
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