出逢い

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  光は麗と呼ばれる少年を見るなり、直ぐに人懐っこい笑顔を見せる。 それにつられて麗も笑顔を見せた。 だが、お互いに真名を明かそうとはしなかった。 感覚で違う真名だと悟ったのだ。 一向に真名を明かそうとしない2人の姿に少し苛立ちを感じている両親に気付くと、麗は丁寧な口調で説明をする。 説明を聞くと、両親は残念そうな表情をしたが、光と麗はさほど気にすることもなかった。 誕生日会が再開され、にぎやかさが周りに戻ると、再び皆から笑顔が溢れる。 その姿を微笑ましそうに眺めながら、麗は少し席を外すと言い、裏庭へと姿を消した。 まるで何かを探すかのように。
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