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裏庭にたどり着き、麗が見たものは隅っこで小さくうずくまり泣いていた男の子、綾だった。
綾の姿を見るなり麗は頬をゆるませ、穏やかな表情を浮かべながら綾のそばへと歩み寄る。
『綾。』
名前を呼ばれてはっとし、綾は顔を上げた。
見上げる先にいるのは見知らぬ少年。
きっと光の誕生日のお祝いに招かれた人なのだろうと思いながら、不思議そうに首を傾げた。
"どうしてぼくの名前をしってるの?"
喋ろうとしたが、麗が目の前へしゃがみこみ、自分と目線をあわせてきたので少し驚く。
『綾だろ?。君の名前。』
優しい笑顔を見せる麗の質問してきた言葉に小さく頷く。
その反応を見て麗は嬉しそうに笑いながら、綾へ手を差し伸べる。
『君を探してたよ。綾。』
"どーしてさがしてたの?"
それを聞こうとまた喋ろうとしたが、質問をする前に麗の手を取る。
この手は大丈夫の手だと、無意識のうちに感じてしまっていた。
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