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手を取った直後、腕を引かれ引き寄せられ、バランスを崩してしまった綾の身体は自然と麗の腕の中へ収まる形になる。
『やっと見つけた‥。俺のパートナー。』
その言葉の意味が最初は理解出来なかった。
混乱する綾の姿を見た麗は苦笑いを溢す。
『俺は麗。綾と同じ真名を持ってる。』
"真名"と聞いたと同時に、"パートナー"の意味を綾は理解した。
同じ真名を持つものが成る事のできる、唯一の存在。
しかし、何故同じ真名を持っているのだと解るのか、一番理解出来なかった。
『綾、真名を明かせ。俺達だけの名を。』
理解出来ない事なんてもうどうでもよかった。
"このひとのいうことはしんじれる"
麗の言葉に促されるまま、綾の口が開く。
『『風音』』(カイン)
綾が真名を明かすのと同時に、麗も真名を明かした。
声が重なり、まるで歌声の様な響きが2人を包む。
その瞬間、2人の周りに突風が吹き荒れた。
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