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「お前にそんな物があるのか? ならとっとと見せろ、『にーと』」
挑発仕返す。
すると彼はエリスから視線を外し呟くように言葉を紡ぎだした。
「拘束制御術式第三号第二号第一号解放。状況A『クロムウェル』発動による承認認識。目前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始」
瞬間、背筋が凍った気がした。
あの言動は彼が何かしらの力を封印していたという事。
これだけの力を持ちながらまだ力を隠していたというのか。
若しくは、その力が余りに危険な為に封印せざるを得なかったのか。
それは分からないがその言葉だけで、この部屋の空気が一瞬で重く冷たくなったのを肌で感じた。
(儂はドラゴンの逆鱗に触ってしまったのかもしれん)
少しの後悔。そして
「では教育してやろう。本当のニートの闘争と言うものを!!」
来る。最強の化け物『にーと』が、その力を解放して私に迫って来る。
そう考えただけで足と手が奮え始める。
(まずい、このままでは何もせずに呑まれてしまう)
手を思いっ切り握り、言葉を搾り出す。
「……っ。お、面白い。ティルよっ! あの化け物の命を刈り尽くせ!」
ありったけの強がりを込めて言葉を吐き出す。
そして、ティルに今度は殺すつもりで行け、と目で訴える。
ティルはそれに答え、速度を増して奴に向かって行った。
これは避けられないのでは、と思ったが奴は避けずにあろうことか防いで見せた。
「ロー・アイアス」
その言葉により、奴の前に美しい花びらが出現した。
その花びらは奴を守る盾となりティルが衝突する。
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