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「まあ、そうだな。概ね合ってる。家の平和を守るのも楽じゃないんだが、どうやら偉い人にはそれが分からないらしい。まったくニートがいればセコムいらずだぞ? 最高じゃないか」
まったく、今の時代は本当に頑張っている人に対しての風当たりが強すぎるんだ。
本当に悲しい時代になったもんだ……
「そのかわり家にパラサイトしてますよね?」
「違う! 家を守っているという労働に対する正当な給金だ! 一人養うだけで家の平和が守られるんだよ? 安いものじゃないか」
そういって目を逸らす。
現実から目を背けるのもニートには必要な事なのだ。
「というか、その情報はどこで仕入れたんだ? 確かに俺はオタクでニートで自宅警備員だが、魔法使いではない。まぁ、候補ではあるがな」
「そうなんですか? 知り合いに聞いた話しですと、オタクでニートで自宅警備員を語っている人の9割は魔法使いだとお聞きしました」
「それは偏った知識だな。確かに、そいつらは魔法使いの素質がある奴ばかりだろう。だが、中には《リア充》という異端者が紛れているため、一概には言えん。」
「へぇー、なかなかドロドロとしているんですね。人間の世界も。あ、ところで地球で魔法を使っている人を見たことがないのですが、そんなに数が少ないということは、何か難しい試験でもあるのですか?」
「ああ。一つだけだがな。あるとても大切な物を守り切らなければならない。若い時は、むしろ早く捨てたくて仕方がないんだがな。そして皆必死に守るんだが、最後には散っていくんだ」
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