71955人が本棚に入れています
本棚に追加
「へぇ、そうなんですか」
自分から聞いて来た癖に興味なさ気に返答する骸骨。
俺はこんなにも悲痛な顔をしていると言うのに。
やはり骸骨程度では、この試練の難しさを理解出来ないのだろうと思う。
あと8年。思い半ばで散っていった戦友達の為にも頑張って守り切ろう。
そう心に強く誓った……
そんなことを話しながら俺達は死神大門を通り抜けた。
通っている最中に門の壁から
「この世に存在する」
「全ての人間が」
「憎いです。」
「ところで」
「俺と」
「そこのハッテン場で」
「や ら な い か ?」
と聞こえきたが華麗にスルーした。
骸骨に聞くと、あれは死神界でトリプルミリオンまでいった『公園で出会った憎たらしいほど気になるアイツ☆』という神曲らしい。
理解に苦しむ。これがカルチャーショックか。
門を出るとそこにはだだっ広い荒れた荒野が広がっていた。
死神大聖堂なる建物はその影さえ見えない。
空が曇り空のため、なんだかさらに輪をかけて寂しい感じだった。
この荒野を進んだ先に死神大聖堂があるそうだ。
結構遠いらしい。
今更だが《死神界》は決して文明が進んでいない訳ではない。
その証拠に死神大門前には茶いレンガや白色を使った建物が建ち並び、植物もやたらと曲がりくねった形をしていたが、しっかりと生えており、多いに骸骨達で賑わっていたし、車も走っていた。
皆、思い思いの服を着て、在るものは家族でほのぼのと、在るものはカップルでイチャイチャと、在るものは友達とゲーセンでバイオハザード的な何かを楽しんでいた。
骸骨がゾンビを銃で打ち倒していくさまは、なんともシュールだったな。
まぁ、いくらほのぼのとしていようが目の前には骸骨の集団、普通にホラーだったけどね。
そんなことを考えいると隣から声をかけられる。
最初のコメントを投稿しよう!