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「どういうことなの……」
俺の目の前に骨がいる。『ある』のではなく『いる』のだ。
様々な形をしたその骨はパズルのように組合わさって、一人の骸骨を作り上げている。
そして、その骸骨の手の中には、この世に存在するどんな名刀にも負けないのではないだろうかと思うくらい、切れ味の良さそうな鎌が妖しく光っていた。
俺が今まで培った知識(主にオタク的なやつ)によればこいつは死神と呼ばれる存在だろう。
そいつが今、何故か俺の部屋で俺を見下ろしている。
断っておくが、俺は別に黒魔術等の怪しい術を使った訳ではないし、死んだ訳でもない。
にも関わらず、気がついた時には骸骨が俺の背後に立っていたのだ。
混乱している頭を落ち着かせるために一度、今日一日を振り返ってみよう。
俺の名前は小林 大輔。歳は22。
黒髪黒目の日本に広く分布している普通の日本人だ。
身長は170ちょいで体重は53キロくらいかな。
まぁ、かなり細い。所謂モヤシっこというヤツである。
就職先が見つからず常に家に引きこもっていた結果、自堕落な生活が心身ともに馴染んできた今日この頃。
今日も両親が仕事に出かけたのを確認してから、自分の部屋から飛び出して朝食を済ませる。
両親とは社会の底辺にいる為に非常に顔を合わせづらい。しかも生活費を出してくれている辺りには感謝しているが、なかなかうちの家庭環境は荒れている。
親父は愛人がいるようで殆ど家には帰ってこず、母親は度が過ぎたギャンブラー。
その為、放任主義というか息子に興味がないというか、俺がニートをしてようが何も言ってこない。
この辺りは楽だ。干渉してこないし。
俺は手早く朝食を済ませてこの後の予定(パソコンで動画見たり等など)の為に部屋という我が家へ帰宅する。
いつもと変わらない素晴らしい朝だ。
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