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いや待て、大輔。それは死亡フラグだ。
そう、油断はできん。何より相手の手には鎌という武器があるのだ。
それも、稲を刈る時に使うようなチャチなモンではない。
大きさは縦に2メートルほどあるか。刃もその長さに釣り合うくらいに巨大で、何より鋭い。
色は一部を除いて全て漆黒に染められている。ただ、刃だけはまるで元々は黒であったものが血を吸って変色したかの様に赤黒く染め上げられており、なんとも気持ちの悪い色をしている。
対して、こちらの手に握られているのは、俺を数々の知識の泉(サイト)に連れて行ってくれるある意味頼れる相棒(パソコンのマウス)だ。
装備している武器では勝てる要素が見当たらない。
というかマウスと大鎌の戦闘力を比較する所から既に何か間違えてる気がしてならない。
と色々思考した結果、戦闘になるのは避け、友好的な関係を築き、お互い歩み寄るという方針が一番有力だろうと脳が結論づけた。
であれば、やはり下から物を尋ねるのがベストだな。
と、ここまで考えた所で、骸骨がおもむろに口を開いた。
「あの……カーテン閉めてもらっていいですか? この部屋日当たりよくて、正直ギリギリなんですけど……」
息も絶え絶えにそう言う骸骨。
確かに雲一つないこの天気のいい日。
俺の部屋は南向きにあるため、今の時間だと日の光りがバンバン入ってくる。
その光が骸骨の全身を満遍なく照らしている。
成る程、これは確かに辛そうだ。なんだか顔色も心なしか悪い気がする。
いや、骸骨だから分からんけどね。
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