幻想 再び

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「だー、暇だなぁ」 やや大きめのソファーに、一人の少年が寝転んでいた。 黒い鎧に身を包み、頭には同じく黒い兜を被っている。 「暇なら手伝ってよ…只でさえ仕事が多いのに、兄さんが全く手伝わないから更に仕事が増えて、いつまで経っても終わりゃしない」 その近くの机に、もう一人の少年が座っている。 その少年は若干幼く、髪は黄色、服は特徴が無いのが特徴という言葉が似合う至って普通の服である。 その少年は大量の書類の前に頭を抱えながら愚痴る。 「大体、兄さんはどうしていつも暇だ暇だと呻く癖に仕事は全く手伝わないの!?暇なら手伝ってよ!」 机の少年はばんと机を叩く。 「だってよぉ…見ても何が何だかさっぱりなんだもんな…俺はモンスター退治が専門なんだよ。そーゆーややこしい仕事はルアンに任すぜ」 「……」 ルアンと呼ばれた少年はがくっと机に頭を埋める。 「しかし、暇だなぁ…それこそ襲撃の一つや二つ…」 ルアンの兄がそこまで言うと同時に、突然入り口の扉が開き、何者かが部屋に飛び込んできた。 「いやっほー!」 その何者かは、少年達の半分位の身長で、背中に薄い半透明の羽が生えている。
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