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「なっ、リム!?」
「おっひさーっ!」
リムと呼ばれた小さな妖精少女は、ルアンの兄の腹に飛び込んだ。
「ごっふ!何すんだてめぇ!」
兄はリムの服をひっつかんで持ち上げた。
リムはオレンジ色の体にしては長い髪で、服は布一枚と言えなくもない。
「なーに、良いじゃないのよ。あんまり暇だったんで遊びに来たの。クライズは何してんのよ」
クライズと呼ばれた少年はふーっと息を吐いた。
「俺も暇してんだよ。あの一件以来、特に目立った事件も起きねーし…はぁ」
クライズはため息をついた。
「起きたら困るよ…はぁ。リムさん、まあ…何もありませんが、ゆっくりしてってください」
ルアンもクライズにつられてため息をつき、リムの方を見て言った。
「もうゆっくりしてるわよ」
リムはクライズの頭の上に座っていた。
「あ!てめぇコラ、降りやがれ!」
クライズはぶんぶんと頭を振る。
「……」
リムはそっと浮き上がった。
「この、この、この」
クライズは気付かずにまだ頭を振り回している。
「…バーカ」
リムはぷっと笑いながら呟いた。
「あぁ!?」
クライズは上を向いた。
「…白?」
クライズがその言葉を発した瞬間、リムの足がクライズの顔面にめり込んだ。
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