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「よし、一件落着」
クライズは剣を背中に納めた。
「手応えないわねー」
リムもサブマシンガンを片付けた。
「さぁて、戻るか」
クライズはくるりと身を翻し、屋敷に戻ろうとした。
その時。
「お見事ね」
パチパチと拍手しながら、何者かがクライズ達に声をかけた。
「…ん?誰だ?」
クライズは振り返った。
そこに居たのは、日傘を差した一人の女性だった。
「誰?クライズの知り合い?」
リムはクライズの頭に乗っかった。
「いや、知らないけど…ここの人じゃないよな?旅の人か?」
クライズは女性に訊ねた。
「ま、そんなところね。でも、やっぱりこの辺りの人間は強いのね。興味深いわ」
女性はクスクスと笑う。
「なんかよくわからんけど…」
「一応褒めてるのよ?あなたは強いのね」
女性はニコリと笑顔を浮かべた。
「あー…まあ、褒められて悪い気はしないな。しかも美人さんだし」
クライズは照れ気味に頭をかく。
「あらあら」
女性は扇子を口に当て、笑う。
「…で、この町に何の用だ?特に見所は思い付かないんだが」
クライズは首を傾げた。
「そうねぇ…強いて言うなら、暇潰し…かしら?」
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