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この小さな町マリアンに事務所を構え、早くて2年が経った。
中央都市から少し離れたこの町は、コレといった特産物も無く、どこかのんびりとした雰囲気がある。
そのためか、俺とユロウの営む『なんでも屋』に来る依頼は、確かに少なくなっていた。
だが地震の後である。
ゴタゴタしているとはいえ――いやゴタゴタしているならこそ、片付けや修理などに呼ばれてもいいくらいだ。
実際に今も何人か、事務所の前を窺っているような気配がする。
釈然としない俺は、こっそりと眉をしかめ、首をかしげた。
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