序章

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この前、久しぶりに雛芥子を見たんだ。いつもの通り道は今だに舗装されてなくて、移動手段である自転車は小石を踏み、まるで川魚が跳ねる様に上下に揺れる。 やっぱり君の言ったとおり、荷台に乗るには痛い思いをしないといけないな。そんな会話を思い出してると、いつも頬が緩む。 砂利道を通り、川沿いに近づくと、平行して造られた道があり、それを右に曲がる。横目で川を見た。真夏の太陽は、さんさんと輝きを放ち、水面をあたかも揺らしてるかの様に水と戯れている。 記憶が脳内を巡る。次から次へと走り回る。そして僕の涙腺を刺激。 ペダルを踏む足に力を足した。
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