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「秀吉の奴めっ…なかなかやるな!!」
「忠孝様っ!!!!!!」
「どうした!!」
「うっ…うっ……後ろからっ!!後ろから光秀がっ!!伏兵です!!!!!」
「うぬぬぬ…謀りおったな!!!!」
「挟まれました!!もう…どうにもなりませんっ!!」
「貴様らっ!!!!うろたえるなっ!!!兄者が来るまで持ちこたえろっ!!!!!!!」
「うぉおぉおぉ!!」
一瞬絶望に満ちた忠孝の兵たちであったが、忠孝の一言で再び士気を取り戻した。
「秀吉様っ!!」
「お前たち…知っているか?人は辛さ、悲しみ…絶望の淵に立たされ、何も失うものが無くなり、覚悟を決めた時………人ではなくなる。この戦…まだわからぬな…。」
「忠孝ぁぁ!!貴様の命!!もらいに参ったぞ!!」
「光秀!!」
光秀は刀を抜き忠孝に切りかかる。
忠孝も刀を構える。
キンッ!!
「貴様ごときにやられる俺ではないわっ!!」
「計り違えたな…忠孝よ!!」
キンッ!!キンッ!キン!!
「忠孝様が押されているぞ…!!」
「貴様いつのまにこんなに腕をっ!!!」
「お主らとは違い、日々鍛錬を積み重ねておるっ!!…それより忠孝…喋っている余裕はあるのかっ!!」
ズバッ!!
「うぐっ…!!…貴様ぁ!!!」
キンッ!!
「散るがいい。」
スバシュッ!!
光秀の刀が忠孝の頭から下にかけて滑り降りる。
「……!!」
光秀は忠孝の刀を取り上げた。
「貴様の首はもらわぬ…とどめも刺さぬ。…生き恥をさらし、今までの狼藉に後悔するが良い。」
「ぐふっ…」
血を吐き、膝をつく忠孝。全身は赤く染まっている。
「後悔…それはてめぇだ…ぐっ………てめぇは兄者に殺されるぞ…。」
「返り討ちにしてくれるわ…。」
光秀は背を向け歩き出した。
「忠孝様がやられたっ!!!!」
「そ…そんな!!」
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