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浅井長政の城──
浅井の兵が次々と城門を出て行く。それを天守閣から見つめるものがいた。
「長政様…本当に行かれるのですね………。」
お市である。
「お市様…。」
お市の付き人が部屋に入ってくる。
「ゆり…どうしたのですか?」
「長政様は本当に信長様とお戦いになるのですね…。」
「……。……私、兄上のところに行きます!!!」
「なっ!!なにをおっしゃいますか!!そのようなお体で、外を出歩いてはいけませぬ!!!」
「女にも……」
「……?」
「女にだって…引けぬ時があるのです!!!」
「お市様…!!」
「籠の支度をしなさい!!兄上の城に参ります。」
「……かしこまりました。」
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