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『どこに消えた!!』
「秀吉よ…貴様は既に私に捕らえられている。」
『声が聞こえたのは後ろから?……いや前からか……何か種があるはず…………!!!!…わかったぞ。』
秀吉は信長の言葉を思い出した。
『秀吉よ…お前もなかなかの洞察力になってきたな。』
『……神武大和。種は見破った……しかし如何にして!!』
秀吉は辺りをじっと見る。
「ふははは!!……姿が見えなければ手も足もでまい。……こちらから行かせてもらうとするか。」
秀吉は既に大和の術を見破っていた。
姿を消した様に見えた大和であるが、実は高速で秀吉の周りを回っているだけなのであった。
『見破ったとはいえ、かなりの速さ。如何にして捕らえるか…。』
秀吉はあろう事かその目を閉じた。
『感じるのだ…秀吉!!相手の呼吸を…相手の鼓動を…!!』
目を開けた秀吉には高速で動く大和の残像が見えた。
「大和…。」
「どうした。最後だ。聞いてやろう。」
「こんな句(うた)を知っているか?」
「!!」
「……月も雲間の無きには、嫌にて候。」
「秀吉!!気でも触れたか!!!」
秀吉の周りを回っていた大和が秀吉の背後から切りかかる。
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