高3…五月(えみ)

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彼がそんなに早く学校に行く理由を私は知らない。 きっとなにか用事があるのだと思う。 彼にあわせて登校しているだけの私は学校早く行く理由なんて何もないからついてしまってからは暇だ。 だからたいがい小説を読みながら編み物をしている。 渡せないマフラーが何本も出来上がった。 黒、紺、白、緑、青…多分彼が何色が好きでも大丈夫だ。 多分クラスのこは私の趣味がマフラー作りだとでも思っているのだろう。 私は本当のことをいうととっくにマフラーを作るのには飽きている。 でもほかに何も作れないからしかたがない。
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