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□635年 9月12日の記録
検体番号4125号に過剰な反応あり。
右腕の一部が識別不能の細胞に変質。
1時間後死亡したが、これは進歩だ。
変質した細胞を採取し、力の源泉を究明する。
もうすぐだ…もうすぐ…
□636年 1月20日の記録
細胞の検査結果は信じられないものだった。
この変質した細胞は現存する全ての物質にも当てはまらない。存在しない物質で構成されている。しかも構成密度が限りなく高い。
突破口を見つけた。もうすぐ実現する…
研究のため、しばらく記録は控えよう。
□637年 11月24日の記録
検体番号10004号が次元の欠片の完全吸収に成功。
人型ではあるが、異形へと転換。
私は生まれた新たな生命を『欠片の使徒』、個体名を『フィオーネ』と、そう名付けた。
遂に実現した。魔法に変わる新たな異能の力が。
この記録を読んでいる者へ。
この記録が読まれているということは、私は既に死んでいるだろう。
私では次元の欠片の全てを解明することはできなかった。
そこで、この記録を読んでいる貴方に次元の欠片の解明を頼みたい。
最早魔法のみでは奴らを押さえるのには限界があるのだ。
私の研究の全てはフィオーネに託してある。
私の望みを叶えてくれ。
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