第一章

4/10
前へ
/15ページ
次へ
----… 白見が手招きして黒鉄さんを呼ぶと、彼女はこちらを見た後、少し考えるように固まった後にゆっくりとこちらにやってきた。 「何…?白見さん」 透き通るような鈴の音のような声で静かに喋る黒鉄さん。 やはり、喋り方にもどこか一線を置いている様に俺は見える。 「いやね、特に用は無いんだ。」 ただ話したかったんだよ、と明るく言う白見。 一線を置く黒鉄さんに、めげずに明るく喋る白見。 ………がんばるねぇ。 そんな俺にぼそりと、三部は小声で話し掛けてきた。 「白見さ、頑張るな…」 「俺も同じ事、思った」 そんな事を言いつつ、未だにめげない白見と一線を置いたまま話す黒鉄さんを、見ながら俺達二人は苦笑した。 .
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加