さよならは言わない

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話しが凄い勢いでズレていく。 話しを戻さないと・・・ 「先生、真面目な話しなんです。」 工藤は拓也の雰囲気が真面目なものに変わるのを感じた。 「俺、来週の日曜日にアメリカに行くことになりました。」 拓也は医師の話したことを工藤に話した。 「・・・青野さんたちにはこのことを?」 工藤が静かに尋ねる。 拓也が首を横に振るのを見て工藤は眉を潜めた。 「どうして? あなたが一番よくわかってるはずよ?」 「わかってるから言えないんです。 ・・・知恵の悲しむ顔はもう見たくないんです!」 目の奥に熱いものが込み上げる。
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