さよならは言わない

8/35
前へ
/122ページ
次へ
実際は短い時間だが、拓也たちにはとても長く感じた。 沈黙を破ったのは知恵だった。 「アメリカには・・・その治療に行くのか?」 「ああ」 「いつ治療は終わるのだ?」 「・・・わからない」 知恵が拓也の手を掴んだ。 「私も行くのだ! 拓也のためならどこまでもついて行くのだ!」 拓也は悲しそうな笑みを浮かべた。 「知恵、ちょっと今から何も言わずに俺の話しを聞いてくれ」 知恵がゆっくりと頷くと拓也は話し始めた。 「お前は俺に、好きだと言ってくれた。」
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加