沙理矢

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「雷蔵先輩、」 「どうしたの、沙理矢。」 ふわふわしている。 雷蔵先輩は、図書委員会で僕の先輩。 「何で、鉢屋先輩に顔を貸してるんですか。」 僕は思った。雷蔵先輩は鉢屋先輩をたまに貶しているけど、結局は優しいから。僕は優しくされて調子に乗る鉢屋先輩が大嫌いだ。 「三郎に顔を貸してるのに難しい理由は無いよ。」 あ、雷蔵先輩の微笑んだ顔だ。 「三郎ってば無断で誰かの顔を使っちゃうからさ、誰か1人の顔に固定させれば問題ないでしょ?」 僕の頭を撫でながらそう言った。 僕はそれで納得した。 「さ、食堂にお茶を飲みに行こうか。」 雷蔵先輩の言葉に僕は頷いて2人で食堂に向かった。 先輩の事を1つ知れた気がした。
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