姫居先輩

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今日は邪魔なんかしなかった。理由なんかない。ただ気分が乗らなかっただけ。 「どうしたんだよ。」 備品の修理が終わった留が隣に座った。 「今日は邪魔しなかったじゃねぇか。」 「…別に。」 くしゃりと俺の頭を撫でて何かあったら言えよ、と告げて立ち上がりどこかに行った。 言いたいことは言えなかったし、やろうと思ってたことも出来なかった。いつもみたいに、笑いながら悪戯して困らせたかった筈なのに。 自分でも何がしたいのか分からなくなった。彼は優しいから、俺が何をしても怒鳴ったりしなかった。もんじや小平太とは違った扱いをされていた。 『胸が苦しい』 扱いが違うだけでそうなってしまうなんて。 息が出来なくなる。 涙が溢れる。でも、その涙を拭うことが出来ない。大粒の涙はぱたぱたと落ちていく。表情を変えることも出来ないなんて。 『彼は俺のことをどう思っているのだろう。』 考えても意味がないことは分かっているのに…何故考えるのだろう。 馬鹿な俺。 .
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