寺池

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潮江先輩… 貴方が好きなんです。 なんで貴方は振り向いてくれないんですか? 同性だから? 私が弱いから? 同性を好きになってはダメなんですか? 潮江先輩を殺した。 六年生と私だけの秘密。 「これで貴方は私の“モノ”ですね…。おかしいな…嬉しいのに、涙が出てき、て…っぅ…」 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。貴方が大好きだから…。」 学園内では、潮江先輩は生まれた故郷に帰ったという噂が流れていた。 他の六年生が集まっているのを一度だけ見た。姫居先輩が泣いていた。伊作先輩も食満先輩も…あの立花先輩や七松先輩も。中在家先輩は泣いていなかったが酷く悲しんだ目をしていた。 何もかも私が悪い。六年生の先輩たちは私を見ても笑ってくれた。 いっそ、私を殺してくれればいいのに。
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