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ズボンのポケットに手を突っ込んで、少し俯きながら目指すのは貴方の家。
心にあるのは小さな不安と大きな決意。
ただ、それだけ。
それだけを胸に、僕は貴方に会いに行く。
道端に咲く小さな花も
毎回吠えてくる威勢のいい犬も
澄んだ青空も
目に入らないほどの緊張が僕に襲いかかる。
ユチョンの家に行くのは、もう何度目かなんて数えられないほどなのに、まるで初めて行く感覚。
言わなきゃならない言葉を何度も唱え、
伝えたいことを頭の中で簡単に整理する。
それは簡単なことなのに難しい。
難しいのはきっと、
それ程にまで、貴方を愛しているから。
愛してるからこそ、選べる言葉が少ないんだ。
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